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2019/07/30
他覚的聴力検査
今年の1年生も、通常の聴力検査の実施がスムーズになってきました。

通常の聴力検査では、被検者(検査される人)の「聞こえた」という反応が必用です。
こういう検査を「自覚的聴力検査」と呼びます。
一方、被検者の「聞こえた」という反応の必要無い検査もあります。
「他覚的聴力検査」と呼びます。
代表的な検査には、ABR(脳幹聴性反応検査)があります。

被検者にヘッドホンから検査音を聞かせ、頭のてっぺんに付けた電極と耳たぶに付けた電極の電位差(反応)を見ようとするものです。
いわゆる「脳波聴力検査」ですね。
この検査の検査音には、通常、クリック音が使われます。
音の感じとしては、ネコを呼ぶ時の「舌打ち音」が近いと思います。
音の高さとしては、高い周波数成分が中心です。
ですから、ABRでの反応が出ない、つまり高~重度難聴の場合でも、低音域の聴力は残っている可能性は否定できません。
ことばの獲得に直接結びつくとは考えにくいですが、低音部の聴力を使って補聴器を活用し、音のON、OFFの理解に役立てるといった方向性も考えられます。
これは、聴覚を活用することに他なりません。
将来、人工内耳を装着した場合に、初期の段階から聴覚を活用していることは、言語獲得に有利に働きことは言うまでもありません。
では、低音部の聴力が残っているかどうかは、どうすれば分かるのでしょうか。
これは、もっぱら観察によります。
乳幼児オージオメータでいろいろな周波数の音を聞かせ、子どもの反応を見ることが大切です。

音を聞かせたら、子どもが振り向いた。
まばたきをした。
反応は様々です。
音を出す係と、子どもの反応を見る係の、最低2人は必要です。
手はかかりますが、重要な情報が手に入ります。
検査の方法だけでなく、検査の原理や理論を理解していることも大切ですね。



